ネギ農家×モデル──
二足のわらじで見えた

「アスペジM65」のリアルな魅力【ASPESI SNAPS––大鷲陽一】

M65
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1969年にイタリア・ミラノにて創業し、オンオフで重宝する“最上級な普段着”をキーワードに上質なデイリーウェアを展開するASPESI(アスペジ)。そんなアスペジの象徴と言える名作が「M65フィールドジャケット」です。このアイコニックなアウターが、様々な分野で活躍するキーパーソンのライフスタイルをどのように満たすのか、キーパーソンが袖を通す多彩なシーンのSNAPを通じてご紹介します。

第二回目のSNAPである今回登場いただいたのは、熊谷でネギの生産を行う農家であり、モデルとしても活動する大鷲陽一さん。農家として畑に立ち、都市ではモデルとしても活動する独自のスタイルに注目が集まる大鷲さんに、「M65フィールドジャケット」との向き合い方をうかがいました。

大鷲陽一

Profile

大鷲陽一
1984年生まれ。埼玉県熊谷市の代々続く農家に育ち、現在はネギの生産を中心に手がける兼業農家。一方、ファッションと写真への情熱を原動力にモデルやクリエイターとしても活躍する。農作業でまとうワークウェアやミリタリーウェアが刻む“リアルなエイジング”に魅せられ、その変化と美しさをSNSで発信。職業の枠を超えて多くの共感と注目を集めている。

Instagram:@yoichiowashi

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“誠実に向き合うこと”が働き方の軸

兼業農家って言ったほうが、今の自分にはしっくりくるかもしれません。ネギの生産を軸にしながら、好きなファッションについてSNSで発信しているうちに、自然と仕事の幅が広がってきた実感があります。
私にとって一番大切なのは、“誠実に向き合うこと”。農業は、どれだけ一生懸命にやっても、天候に左右されてうまくいかないことがあります。だからこそ、作物には真心を込めて、自分にできることをすべてやりきったら、あとは天に委ねる。そんな覚悟で、毎日畑に立っています。このスタンスは、服や人との関係にも通じています。誰かとうまく繋がって仕事を増やそうとか、服をよく見せようとか、そういう損得勘定ではなくて、自分が心から好きなものや人と、誠実に向き合いたい。その先に共感が生まれたり、感動できる瞬間があったり……。そういう“素直な喜び”を大切にしたいと思っています。

M65
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農家だからわかる、
服の“リアルなエイジング”

お気に入りのワークウェアを実際に農作業で着てみて、そのエイジングの変化を観察する。それも、自分にとっては“誠実に物と向き合った先に得られる“素直な感動”です。このアスペジの「M65フィールドジャケット」は、ポリエステルをベースにナイロンが混紡されているので、どんなエイジングになるのか非常に楽しみですね。ねぎ剥きの作業時にはエアーでネギの皮を飛ばした葉っぱが腕や脇腹にかなり当たるのですが、そのあたりがネギ農家ならではの独特のエイジングになって面白いんじゃないかなと。ハードな収穫作業でも軽くて疲れずに羽織れそうですし、生地は撥水性もあるのでスマホをポケットに入れておけるのも便利ですね。

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苦手意識のあった
「黒×ネイビー」の克服

今回は休日のコーディネートとして、実は自分にとって苦手意識のある“黒×ネイビー”の組み合わせに挑戦してみました。個人的に、黒という色は存在感が強く、ほかのアイテムとのつなぎ方がとても難しく感じているんです。そこで今回は、ヘンプ混のブラックデニムに、インナーとして淡いブルーのシャンブレーシャツを合わせることで、色の濃淡や素材感にメリハリを持たせました。
さらに、アスペジの「M65フィールドジャケット」は、新品から2週間ほど部屋の中で着込んだ状態のものを羽織っています。ただ“いいブランドの服を着ているからかっこいい”ということではなく、そうした服と仲良くなろうとするプロセスこそが大事だと思うんです。そうした姿勢こそが、私が大切にしている“誠実に向き合う”ということに通じているのではないかと感じています。

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このアスペジの「M65フィールドジャケット」は、ストレートにカッコ良いモノとしてパワーもありつつ、自分らしさを出せる懐の深さも感じます。休日にはモデル業のオーディションに行くことも多いのですが、そんなときに自分らしさを出すにもぴったりな一着です。畑でも街でもカッコよく自分らしく、カッコよく着られる服ですね。最近ではハッセルブラッドの中判カメラで人物ポートレートを撮影しているのですが、そんな撮影時にもサッと羽織っても様になりそうですね。

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“似合う”より
“自分らしく着る”を大切に

M65のような60年代に生まれたミリタリーウェアって、スタイリングしやすいと感じます。もう少し後の年代になると、存在感が強くて、コーディネートの中で悪目立ちしてしまうことがあるんですよね。その点、M65はちょうどよい“いなたさ”があって、自分らしく取り入れやすいんです。
個人的には、“何を着ても似合うね”と言われるよりも、“何を着ても自分らしいね”と言われる方が嬉しい。それだけ服としっかり向き合えていて、自分のスタイルとして落とし込めているということだと思うからです。私は農家なので、いちネギ農家としてのエイジングの表情を楽しみ、それをそのまま街のスタイリングにも活かしたい。結局、農業もファッションも、人柄がにじみ出るものだと思っています。だからこそ、誠実にモノと向き合い、敬意や自分なりの付き合い方が表れているファッションにこそ、魅力を感じるんです。

M65

ASPESI M65 フィールドジャケット
(65 REPLICA)  / 
¥136,400(税込)

ミリタリーアウターの名作であるM65を、ポリエステルをベースにナイロンを混紡した生地で仕立てた一着。緊密に織りあげた生地に熱処理を加えることで、防風・撥水性も獲得。すっきりとした大人らしさを損なわないようにしつつ、ジャケットの上にも羽織れるような程よいゆとりを持たせた、現代的なシルエットも着やすいポイント。

アキモトコーヒーロースターズ

Photo : Ryutaro Yamaguchi
/ Text:Shinji Hashimoto