1969年にイタリア・ミラノにて創業し、“最上級な普段着”をキーワードに上質なデイリーウェアを提案するASPESI(アスペジ)。アートやカルチャーとも積極的に関わりながら、日常に寄り添う服を提案し続けています。そんなASPESIの世界観を、さまざまな分野で活躍する人々のライフスタイルを通して紹介する「ASPESI SNAPS」。
今回登場するのは、ヘアサロン「Lysa」を主宰しながら、雑誌や広告、テレビなどでヘアメイクを手がける高橋有紀さん。
撮影現場とサロン、それぞれの仕事から得ているものや、子育てを経て変わった日々の過ごし方、そして仕事にも普段の暮らしにもなじむASPESIの服について語っていただきました。
高橋有紀
美容師、ヘアメイクアップアーティスト。ヘアサロン「Lysa」を主宰し、サロンワークと並行して雑誌、広告、テレビやCMなどのヘアメイクを手がける。オーガニックヘアケアブランド「Larét(ラーレ)」の製品開発にも携わる。
小学生の頃から、とにかく雑誌が好きでした。姉の影響もあったかもしれませんね。ファッションも好きだったけれど、私が特に見ていたのはヘアとメイクのページ。髪型やメイクでひとの印象が変わることに言葉では説明できない不思議な魅力を感じて、中学生の頃には、美容の仕事がしたいなと思っていました。
美容学校に入った頃は、“美容師”という職業が注目されていた時代でした。私もヘアメイクに興味はあったけれど、まずは入りたいサロンに入って、美容師になろうと思って。専門学校を卒業して働きはじめてからは、もう、がむしゃらでしたね。休みの日も街に出て、モデルハントをして。自分で声をかけたモデルさんなら、アシスタントでも撮影に連れていってもらえたので、先輩の仕事を間近で見られる。モデルさんがどんどん可愛くなっていくところを見て、「こうするんだ」と覚えていきました。
スタイリストとしてデビューしてからは、ヘアカタログの撮影をきっかけに雑誌の仕事が増えました。現場で会ったライターさんが別の撮影に呼んでくださったり、雑誌で担当したタレントさんが指名してくださったり。自分でも驚くくらい、出会ったひとがつぎの仕事につないでくれたんです。
私が最初に学んだのは、どこか抜け感のあるヘアとメイクでした。肌をファンデーションで全部隠すより、そばかすが少し見えるくらいが個人的には好きなんです。
でも、いま可愛いとされているメイクも、やっぱり可愛い。若い方を担当することも多いので、新しいものを知らないままでいたくないんです。韓国に行ってプロの方にメイクをしてもらうこともあります。自分で受けると、仕上がりだけでなく、どう作っているかもわかるので。
雑誌の撮影なら、そのページに合うメイクを考えます。テレビやCMのお仕事なら、ご本人の希望を聞いて、クライアントの意向も考えながら一緒にちょうどいいところを探します。私は理屈を順番に説明するのがあまり得意ではなくて、実際に手を動かしながら「ここを少し足したら可愛いな」と直感的に見つけることが多いんです。担当した方に「このメイクなら自信を持って収録に行ける」と言ってもらえたときは、本当にうれしかったですね。ヘアメイクも、そのひとが仕事に向かうための力になれるんだと思いました。
ヘアメイクの仕事が忙しくなって、サロンにほとんど出られない時期もありました。でも、デビューした頃から来てくださっているお客さまがいて、その方たちの髪をずっと担当しないという選択肢は私にはなかった。だから、いまでもサロンに立って美容師としての仕事も続けているんです。
撮影の現場は刺激があります。新しいメイクや表現に触れられるし、いろいろなひとから情報も入ってくる。行くたびにワクワクします。ただ、ヘアメイクの仕事ばかりしていた頃は、移動もずっとタクシーで、電車やバスに乗らない生活になっていたことがあって。一方でサロンに戻ると、「あ、これが普通の毎日なんだ」と気づかされるんです。
ASPESI ウールツイードジャケット ¥215,600 tax in
ASPESI クルーネックニット ¥50,600 tax in
ASPESI コーデュロイスカート ¥99,000 tax in
サロンには、年齢も仕事も暮らし方も違うお客さまが来てくださいます。髪を切りながら話していると、撮影では気づけない、普段の生活の中での髪の悩みが聞こえてくる。一方で、撮影で出合った新しいものを、お客さまに似合う形で取り入れることもできる。現場で刺激を受けて、サロンで日常の感覚に戻る。その行き来があるから、どちらの仕事も続けてこられたのかもしれません。
ヘアケア製品をつくったのも、もともとは自分が困っていたからです。私は肌が弱くて、スタイリング剤で手がかぶれることもありました。髪につけるものは顔にも触れるから、私自身が気持ちよく使えて、ひとにも勧められるものが欲しかったんです。香りが強すぎないことや、使いやすさ、繰り返し購入しやすい価格帯にする努力もしました。自分で使っていないものをお客さまに勧めるのは、できないので。
同じ仕事をずっと続けていられるのは、ひとと話すことがすごく好きだから。サロンでもお客さまとずっと話しているし、撮影現場でもひとに会うと元気になります。以前は「仕事が趣味です」と答えていたくらい、休みなく働いていたんです。いまでも仕事の依頼が来るとうれしい。がんばるぞ、という気持ちになります。
ただ、子どもが二人になってからは、時間の使い方が変わりました。上の子に「もっと一緒にいてほしい」と言われるようになったのも大きいですね。だから休日は子どもたちに全力投球してますね(笑)。
近所の公園へ行ったり、習い事に付き添ったり。普段、仕事であちこちへ行っているので、休みの日は近くで過ごしたいんです。夫は遠出したがるので、そこは相談しながらですけど(笑)。
マッサージの予約を入れても、子どもが熱を出してキャンセルになったことがありました。以前なら仕事の後にふらっと行けたのに、いまはそうはいかない。そうなって初めて、お母さんたちが時間をやりくりして美容室に来てくれていたんだ、とわかりました。だからお子さん連れのお客さまには、本当に気にせず来てほしいですね。
服を選ぶときは、着心地をかなり大事にしています。仕事中は動き回るし、しゃがむことも多い。長袖ならだいたい腕をまくってしまいます。子どもといるときにも、気にせず着られるものがいい。でも動きやすさだけで選んでいると、おしゃれが後回しになってしまいますよね。だから、生活しやすくて、着たときに気分も上がる服が好きです。
今回着たASPESIの服は、普段の自分にかなり近かったです。シンプルだけど、生地が気持ちよくて、首まわりのディテールやシルエットにこだわりを感じる。あと、スカートにポケットがあったのがうれしかったですね。私はティッシュとハンカチを持っていないと落ち着かないので(笑)。シンプルで上質な服に、少しコンサバなアクセサリーを合わせてバランスを取るのが私は好きなので、自分にぴったりだなって感じます。
ASPESI ハイゲージニット ¥85,800 tax in
ASPESI モヘアニット ¥50,600 tax in
ASPESI ナイロンスカート ¥74,800 tax in /ASPESI TOKYO
オンでもオフでも関係なく、服を選ぶときは「これを着たら気分が上がる」というものを選んでいます。それは髪やメイクも同じです。毎日きっちり装わなくてもいいし、無理に流行を追いかける必要もないと私は思っています。自分の好きなリップを塗るとか、髪に少しスタイリング剤をつけるとか、それだけでもいいんです。ほんのちょっとだけでも、自分自身の気分が上がるも ので見た目を整えるだけで、毎日がきっと豊かになると思いますね。